湯たんぽ

このエントリーをはてなブックマークに追加

近しい人に、湯たんぽを送った。

ちょうど1週間前の火曜日に、久しぶりに近しい人に電話した。「お元気ですか?」「わかんない」という合い言葉に始まり、1時間ほどいつものように迷子になりながら楽しく会話をした。どこをどう迷ってローマ教皇フランシスコ一世の来日の話題に入ったかのかは忘れたが、今の教皇はイエズス会から出た初の教皇だがドミニコ会はもう4人も教皇を出しているというところから、ドミニコ会800年の歴史に話が及んだ。天使という名のついたフラ・アンジェリコはドミニコ会士だったし、レオナルド・ダ・ヴィンチがフランスだったかイタリアだったか忘れたが、貴族に召し抱えられたのは、ドミニコ会のおかげだし、何よりも近代オリンピックが始まったのもドミニコ会のおかげらしい。話を聞きながら、「へぇ、そうなのかぁ」と感心した。そこからまた話がどんどん迷って、湯たんぽの話にたどり着いた。大病の後、近しい人は22㎏も痩せたので(前が少し太り過ぎだったようなのだが)、他の人よりも寒さに敏感になったらしく、ベッドに潜り込んでも寒くて眠れないので、湯たんぽを買いに行ったのだそうだ。だが、アルミの固い湯たんぽしか売っていなくて、できるだけ柔らかい素材のものを探したら、電子レンジで温めてから使う湯たんぽしか見つからなかったらしい。不本意ではあるが、背に腹はかえられぬということで、それを買ったが、やはり固くて気に入らない、と大いにぼやいていた。おそらく、水枕のような形の湯たんぽが欲しいのではなかろうか、と電話を切ったあと、思い至った。

湯たんぽ・・・電話の翌日は忙しすぎて忘れていたが、翌々日の木曜日に、湯たんぽのことを思い出し、ネットで探してみたら、意外と簡単に水枕タイプの湯たんぽが見つかった。低温やけど防止のための、ニットでできたカバーの柄はトナカイであった。トナカイかぁ、ちょっと子どもっぽいかな。・・・ ま、いっか。少し早いけれど、クリスマスのプレゼント代わりに、湯たんぽを購入して、近しい人のもとに直送してもらえるように手続きをした。土曜日の午前中着。

日曜日の夜、近しい人から電話があった。「今日は長話するつもりはないから」という前置きがあって、それから「湯たんぽが届いたから驚いたよ」という少々とがめるような口調の声が聞こえてきた。それに続いていろいろ言葉が並んでいたが、総合的に判断すると、トナカイの絵は気に入らないけれど、湯たんぽは喜んでもらえているようだ。湯たんぽを使う際の注意事項を私が伝えたら、そこからまた話が迷子になってしまった。一番記憶に残った話を一つ。私がコンビニで買い物をしたとき、アルバイトの外国人が、釣り銭を間違って、多く返してくれた。その時一瞬躊躇したけれども、私は正直に釣り銭の中からもらいすぎた分を返したが、正直に返すかどうか試されているようだったと言った。答えて近しい人曰く、それは自分の良心が自分自身を試しているのだ。なるほどね。

会話の内容をすべて記録したいところだが、あまりにも話題が次々に変わっていくので、全部を記憶することすら難しい。ただ会話が楽しいということだけは記憶にとどまる。「今日は長話するつもりはないから」という近しい人の宣言はむなしく、今月二度目の電話は1時間半に及んだ。

2019-11-26 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : konekosan